tuki.『騙シ愛』歌詞の意味を考察!ドラマ「キャスター」の主題歌!

tuki.さんの楽曲『騙シ愛』が、TBSドラマ日曜劇場の「キャスター」の主題歌になっています。
『騙シ愛』は2025年4月14日にリリースされました。
ドラマ「キャスター」はオリジナル脚本の社会派ドラマで、「世の中を動かすのは真実!」という信念を持つ男・進藤壮一演じる阿部寛さんが出演しているドラマで、大どんでん返しが繰り返され、嘘によって闇に葬られていた事件の真相が次々と明らかになるという物語です。
そんな注目作の中で存在感を放っているのが、tuki.さんの『騙シ愛』
16歳の彼女がこの社会派ドラマの主題歌を担当し、どのような楽曲になっているのかがとても気になるところです。
そこで今回は、tuki.さんの楽曲『騙シ愛』の歌詞の意味を考察していきたいと思います。

騙シ愛 – Damashiai
この記事の目次
tuki.『騙シ愛』歌詞の意味を考察

ここからは、tuki.さんの楽曲『騙シ愛』の歌詞の意味を考察していきたいと思います。
「騙し合い」と「愛」がテーマ
騙し合いのこの世界で
信じられる物を探す
もう見失わないから
サビから始まる楽曲で、現代社会や人間関係の不信感、欺瞞に満ちた現実、人が互いに本心を隠したり、裏切ったりする場面が多い「疑い深い世界」に生きているのが、いま私たちが活きているこの世界であり、「騙し合いの世界」と表現しています。
その中でも、自分が心から信じられる「何か」や「誰か」を求めていて、たとえ周囲が欺瞞に満ちていたとしても、自分にとっての真実や支えを見つけようとする希望が表れています。
ただそれは、過去に「信じられるもの」を一度見失ってしまった経験があることを暗示しています。
今はもうその痛みや失敗を乗り越え、再び迷わない決意と覚悟があるという強い意志の表れが、最初の部分で表現されています。
どうして嘘をついてしまったの
どうして本当を話せないんだろう
自己嫌悪や後悔がにじみ出ています。
「嘘をついたこと」に対する罪悪感と、「本音を言えなかったこと」への自問が描かれています。
これは相手を傷つけたくなかったのか、それとも自分を守ったのか、という複雑な感情の葛藤が見え隠れします。
あなたはどんな顔をするでしょう
自分を守りたいだけじゃないの?
相手の反応を想像して不安になりつつも、自己防衛のために本当のことを言えなかった自分を責めているようです。
「あなたのため」と言いながらも、本当は自分が傷つきたくなかっただけなのではないか?という内省が響いてきます。
望まない事ばかりだ
悲しそうな顔させてしまうわ
望んでいた結果とは程遠い現実が描かれています。
自分の選択が相手を悲しませてしまったという後悔。そして、その表情を見てしまったことでより罪悪感が強まっている様子です。
月の裏側も知らずに
夢だけ見ていたね
月の裏側=見えない真実や現実の象徴。
つまり、相手や関係の「見たくない部分」や「知らなかった部分」に目を向けず、ただ理想や夢だけを見ていた、と反省しています。
とても詩的で美しい表現です。
騙し愛の嘘の中で
信じられる物を探す
この「騙し愛」は、冒頭にもあるように、「だましあい」と「騙されたとしても愛してしまう心」を掛けた言葉ですね。
その「嘘」に満ちた世界や関係性の中で、それでも信じたいもの、信じられる何かを必死に探している——。
それは「人」かもしれないし、「愛」や「真実」かもしれない。
ここには、疑いの中にも希望を見出そうとする姿勢が強く表れています。
瞳が欲しい
「瞳」は、物理的な視力だけではなく、真実を見抜く力、本質を見つめる心の目とも解釈できます。
つまり、嘘と本音が交錯する中で「本当に大切なものを見極められる目」が欲しい、という願い。
また、「誰かの瞳=まっすぐな心・信頼できる存在」を求めているとも考えられます。
まだ未来は分からないままだけど
これは、不安や曖昧さを受け入れている一節です。
未来が見えない、予測できない——けれど、それを理由に立ち止まるのではなく、「分からないからこそ信じるものを探す」流れへとつながります。
心、裏切らないで
ここは叫びのような願い。
「信じたい」「信じていたい」相手、もしくは自分自身に向けて、「どうか裏切らないで」と強く願っている。
過去に裏切られた経験があるからこそ、その痛みを繰り返したくないという祈りのような一言です。
もう見失わないから
このフレーズが再び登場しているのが象徴的です。
前にも出てきたこの言葉がここでも使われることで、「過去に見失ったけど、もう同じ過ちは繰り返さない」という決意の強まりが感じられます。
過去の傷を抱えたまま、でもしっかりと前を向こうとする姿勢
どうして嘘を覚えたんだろう
どうして本当を隠すのだろう
これは、自己への問いかけであり、同時に相手への問いかけでもあります。
なぜ私たちは「嘘」を覚え、本音を隠すようになってしまったのか。
それは傷つくのが怖かったからか、誰かに嫌われたくなかったからか——
この問いに明確な答えはないけれど、その理由を探している不器用な心が伝わってきます。
私は知らぬふりをするのでしょう
触れてしまうことが怖くなったの
ここでは、「本当は気づいているのに、気づかないふりをする」自分が描かれています。
それは相手の嘘かもしれないし、自分の気持ちかもしれない。
けれど、それに「触れてしまったら壊れてしまう」と思って、あえて距離を置いている。
つまり、真実を直視することへの恐れがこのフレーズにはあります。
青いままで熟れた果実みたいに
気付かれもしないで
枯れてしまう前に
一口齧って(かじって)欲しいだけ
「青いままで熟れた果実」:見た目は未熟(青い)のに、内面ではすでに十分に成熟している——でもそれに誰も気づいてくれない。
「気付かれもしないで枯れてしまう前に」:自分の思いや愛が報われないまま消えてしまう前に…
「一口齧って欲しいだけ」:たった少しでもいい、自分の心に触れて、受け入れて欲しい。認めてほしい、気づいてほしい、愛してほしい。
この果実の比喩は、自分の価値や感情が「無視される」ことの苦しさと、それでも誰かに知ってほしいという渇望を、非常に美しく、切なく描いています。
騙し愛の闇の中で
触れたはずのぬくもりだけ
覚えている
「騙し愛の闇」という言葉は、これまで以上に重い空気をまとっています。
真実が見えなくなるほどの感情の混乱や嘘、不安、孤独——
その中でも、「ぬくもりだけは覚えている」。
とても切ない描写で、関係は壊れてしまったかもしれない、真実はもう見えないかもしれない。
けれど、確かに一度だけ触れた“本当の気持ち”や“優しさ”は、まだ心に残っている。
愛が嘘だったとしても、その一瞬だけでも本物だったと信じたい、という想いかもしれません。
まだ未来はわからないままだけど
未来は不透明なまま。
でも、その不確かさを否定するのではなく、受け入れた上で前に進む姿勢が、このリフレインに込められています。
心、裏切らないで
ここでもまた出てくるこの一言。
でも、今回はどこか祈りというより誓いのように響きます。
相手に対してでも、自分自身に対してでもなく——
「自分の心にだけは、嘘をつかないように」
そうやって、自分を保ち続けようとしているようにも感じられます。
私を生きてくから
誰かの期待のためじゃなく、
嘘に飲み込まれて自分を見失うのでもなく、
「私は私として生きていく」という、はっきりとした意思表明です。
とても静かに、でも芯の強さが響き渡る言葉です。
藻掻くほど迷い込み
真実は零れてく
「藻掻くほど迷い込む」というのは、もがけばもがくほど真実から遠ざかってしまうという皮肉な現実を描いています。
そして、「真実は零れてく」——
手にしたと思ったものが、すり抜けていく。
信じていたものが、嘘だったり、自分の中からもこぼれてしまう。
この部分には、必死に掴もうとしても失われてしまう切なさが込められています。
手に触れた感触を
覚えていられるか
誰かと確かに繋がったはずの一瞬、あのぬくもり、その記憶。
それが時間と共に薄れてしまうかもしれない恐れ。
「心が壊れてしまっても、あの感触だけは覚えていたい」
そんな、儚くも切実な願いがこもっているように感じます。
騙し合いのこの世界で
信じられる物を探す
瞳が欲しい
再び出てくるこのフレーズ。
繰り返されることで、核心的な想いの深さが強調されます。
「信じたい」「信じられるものが欲しい」——それは人でも、感情でも、自分自身でも。
「瞳」はここでも、真実を見極める力や誰かを信じ抜く心を象徴しています
まだ未来は何も決まっちゃいないよ
心、裏切らないで
手探りでいいよ
私を象ろう(かたどろう)
「私を象ろう」は、失われた自己をもう一度形づくっていく、という強い意志。
つまり、誰かに形作られるのではなく、自分で「自分」を再構築していくんです。
「未来はまだ何も決まっていない」というのは、可能性が開かれていることの象徴。
「手探りでいい」というのは、完璧じゃなくていい、不安があっても進んでいこうというメッセージ。
「私を象ろう」は、失われた自己をもう一度形づくっていく、という強い意志。
つまり、誰かに形作られるのではなく、自分で「自分」を再構築していくんです。
いつか必ず出会うだろう同じ痛みを
分け合えるような貴方と
出会うために
「同じ痛みを分け合える貴方」——つまり、心から分かり合える人。
そして、「その人に出会うために、私はこの痛みを抱えて歩いていく」。
この部分がラストに来ることで、嘘や裏切りに翻弄されながらも、それでも誰かと繋がりたい、心を分け合いたいという、優しくも力強い願いで曲が締めくくられています。

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まとめ

今回は、tuki.の楽曲『騙シ愛』の歌詞の意味を考察してきました。
『騙シ愛』というタイトルに込められているのは、単なる“騙し合い”ではなく、
「不完全な私たちが、それでも愛そうとする物語」であり、
こ自分を抱きしめ直して、未来へ歩き出す決意のように感じられました。
ドラマも面白く、歌詞の意味を考えながら、楽曲と共に楽しんでいきたいと思います。
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