マカロニえんぴつ『静かな海』歌詞の意味を考察!ドラマ仕立てのMVも注目

マカロニえんぴつの楽曲『静かな海』が2025年6月15日にリリースされました。
ミドルテンポのナンバーで、デビュー10周年を迎えたマカロニえんぴつの静かな強さを感じることができる楽曲になっています。
MVには俳優の前野朋哉さんと山崎紘菜さんが出演していて、こちらも面白い作品になっていて注目です。
今回はそんなマカロニえんぴつの楽曲『静かな海』の歌詞の意味を考察していきます。
この記事の目次
マカロニえんぴつ『静かな海』歌詞の意味を考察

ここからは、マカロニえんぴつの楽曲『静かな海』の歌詞の意味を考察していきたいと思います。
後悔・未練・愛情の本質への気づき
心はそのまんま伝わらないから
ことばの仕事が増えるばかりだ
「わかってないよな、お前ってやつは」
って分かってやれんのは、おれだけだね
なんてな
「心のまま」では思いは伝わらない。
だからこそ、言葉にして伝えようとするけど、その分だけ言葉の責任や重さも増していく。
つまり、思いが強いほど言葉が必要になるジレンマがあり、恋人へのもどかしい気持ちが見えます。
「わかってないよな、お前ってやつは」という部分は、相手を責めるようなセリフに見えますが、それを言えるのは「自分しかいない」と思っていた。
「なんてな」という言い回しから、自嘲・強がり・寂しさがにじんでいますし、実際にはもう相手が自分の元を離れてしまったのかもしれません。
恋の数ばかり数えていたら
愛の形が見えなくなったよ
わかっちゃいたけど、わかっちゃいたけど
救ってくれるのは あなただけだった
変わっちゃいないのさ、なんにも なぁにも
「恋」は一時的なドキドキや欲望で、「愛」はもっと深くて本質的な関係性。
恋の数や表面的な経験にとらわれて、本当の「愛」を見失ってしまったという意味なのかなと思います。
過去の自分の未熟さ・見落としに対する後悔が込められているようです。
何となく「この人が特別だ」と気づいていたけど、それをちゃんと大切にできなかった。
今になってようやく「救い」の存在だったと痛感しているけど、時間が経っても自分の中の想いは変わらない、むしろ何も変わらないからこそ辛いという心理が感じられます。
乱暴の先に花は咲かなくて
聞こえていた音も、だいぶ前に消えた
いったいどこで間違えたんだっけ?
なぁ、いかないでよ 愛するひとよ
「乱暴」は喧嘩や感情のぶつけ合いなど、関係を壊す行為の比喩ですが、そこから何も生まれなかったし、かつて聞こえていた「愛の音・温かい言葉」ももう消えてなくなっています。
すれ違いや破綻への気づきが静かに、でも重く語られていますね。
関係がどこで壊れたのか、自分のどこが悪かったのか分からない。
けれど、それを悔やむよりも「いかないで」と叫ぶしかない。
このラストは、切実な願いと手遅れ感が共存していて、愛する人への最後の呼びかけになっているようです。
何があっても揺るがない愛
飾らない今日の命でいよう くたびれた時代の真ん中
戻らないように立っている静かな海
眠らない欲を蒔いて行こう 焼き回した時代の最中で
沈まないように待っていた静かな海
「飾らない命」は、見せかけや演技をせずに、本当の自分で生きようという意思。
「くたびれた時代」は、夢も希望も薄れがちな現代社会のことかもしれません。
そんな時代にあっても、等身大で「今日」を生きようという、静かな覚悟と抗いを感じます。
「戻らない」は、過去への未練や後悔を振り切って前に進もうとする姿勢。
「静かな海」は、感情を押し殺し、ただ静かにたたずむような存在、もしくは心の奥底の象徴ともとれます。
つまり、「悲しみや混乱の中でも、動じない何か」としての海があり、それが自分自身、もしくは大切な人の象徴かもしれません。
「眠らない欲」は、情熱や希望、夢、あるいは愛情のような消せない衝動や願い。
「焼き回した時代」とは、マンネリ化した社会や、似たような日々の繰り返しを意味しているようにも感じます。
そんな無機質な時代に対し、自分なりの“種”を蒔いて、何かを変えようとする意思を歌っています。
「沈まないように」は、心が沈んでしまわないように耐える、待ち続ける姿。
「静かな海」がここでも登場しますが、もしかすると、「相手が戻ってくるのを静かに信じていた存在」=**自分自身の中にある“希望”や“愛”**なのかもしれません。
心を覗いてシラけるより
ことばのシワだけ増やしてゆけ
「わかってたんだよな、お前はいつも」
って分かってやれんのは、おれだけだね
なんてな。
「心を覗いてシラける」は、人の本音を見て幻滅するような場面を表しています。
でもそうするよりも、「ことばのシワ=苦労して積み重ねた言葉」を増やしていくべきだ、というのは、表面的な理解よりも、不器用でも言葉を交わし合うことの大切さを訴えているように感じます。
「わかってたんだよな、お前はいつも」は、前半の「わかってないよな」への対比として描かれています。
今度は「お前はいつも、ちゃんとわかってた」と相手を肯定している。
けれど、それを本当に分かってやれたのは「自分だけ」だと自負しつつ、「なんてな」でそれすらも強がりや照れで終わらせる。
深い愛情と後悔、そして孤独が凝縮されているような最後になっていますね。
まとめ

今回は、マカロニえんぴつの楽曲『静かな海』の歌詞の意味を考察してきました。
『静かな海』は、言葉になりきらない不器用な愛や、時代に疲れながらも真っ直ぐでいたいという思いを見事に描き出している楽曲になっていると思います。
タイトルと曲のアレンジ、歌詞の内容すべてが完璧にマッチしている名曲だと感じました。
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